「スパイダーマン・ノワールって、結局どのスパイダーマンなの?」と気になっていませんか。
スパイダーマン・ノワールは、1933年前後の大恐慌時代のニューヨークを舞台にした「別世界のスパイダーマン」です。原作コミックでの正体はその世界のピーター・パーカー。蜘蛛の力に加えて拳銃を使い、革のトレンチコートとゴーグル、フェドーラ帽という探偵じみた出で立ちで戦います。世界そのものがモノクロとして描かれるのが最大の特徴です。
この記事でわかること
- スパイダーマン・ノワールの正体・能力・世界観の基本
- おなじみのスパイダーマンとの具体的な違い(比較表つき)
- コミック・アニメ・ゲーム・実写ドラマ、どこで見られるか
スパイダーマン・ノワールとは?大恐慌時代のニューヨークから来たスパイダーマン
スパイダーマン・ノワールは、マーベル・コミックスの並行世界(アース90214)に生きるスパイダーマンです。舞台は現代ではなく、株価大暴落から数年後、失業者と犯罪組織が街を覆っていた1930年代のニューヨークです。
「ノワール」とは、1940年代前後に流行した犯罪映画のジャンル「フィルム・ノワール」に由来します。薄暗い路地、腐敗した権力、割り切れない結末。そうしたハードボイルドな空気をスパイダーマンの物語に丸ごと持ち込んだのがこのバージョンだと考えるとわかりやすいはずです。
正体は「その世界のピーター・パーカー」
原作コミックにおけるスパイダーマン・ノワールの正体は、ピーター・パーカーです。名前も、ベンおじさんとメイおばさんに育てられたという背景も、私たちが知るスパイダーマンと共通しています。
ただし中身はかなり違います。彼は科学好きの高校生ではなく、社会の不正を暴こうとするジャーナリスト志望の青年です。大恐慌の貧困を前に、街を裏から支配する犯罪王「ゴブリン」と対立していく――というのが物語の出発点。明るい軽口を叩くヒーローというより、怒りを抱えた告発者に近い人物像です。
力の由来は「科学」ではなく「神秘」
能力の獲得方法も独特です。オリジナルのスパイダーマンが放射能を浴びた蜘蛛に噛まれるのに対し、ノワールは調査の過程で「蜘蛛の神の偶像」に巣くっていた蜘蛛に噛まれ、力を得ます。科学実験の事故ではなく、オカルト寄りの出来事として描かれているわけです。
得られる力自体は、蜘蛛並みの怪力・スピード・敏捷性・反射神経と、基本的には共通しています。ビルの壁を這い、ウェブで街を移動する点も同じです。
通常のスパイダーマンとの違いを比較表で整理
違いは「時代」「装備」「性格」「画づくり」の4点に集約できます。まずは一覧で押さえてしまうのが早道です。
| 比較項目 | 通常のスパイダーマン | スパイダーマン・ノワール |
|---|---|---|
| 時代設定 | 現代のニューヨーク | 1930年代・大恐慌時代のニューヨーク |
| 正体(原作コミック) | ピーター・パーカー | ピーター・パーカー(別世界の人物) |
| 力の由来 | 放射能を浴びた蜘蛛 | 蜘蛛の神の偶像に潜んでいた蜘蛛 |
| コスチューム | 赤と青のスーツ | 革のトレンチコート+ゴーグル+帽子 |
| 主な武器 | ウェブと体術のみ、銃は使わない | ウェブに加えて拳銃を使用する |
| 性格・トーン | 軽口を叩く親しみやすいヒーロー | 寡黙で陰のあるハードボイルド |
| ビジュアル | カラー | 世界そのものがモノクロとして描かれる |
最大の違いは「銃を使う」こと
ノワール版を語るうえで外せないのが、拳銃を携行するという点です。歴代のスパイダーマンは基本的に銃を忌避してきましたが、ノワールは45口径の拳銃をはじめとする銃器を当たり前のように使います。
これは単なる「強さ」の演出ではありません。法が機能していない街で戦うヒーローがどこまで手を汚すのか、という問いがそのまま設定に落とし込まれています。おなじみのスパイダーマンとの倫理的な距離こそが、このキャラクターの読みどころです。
ゴーグルとコートは「ありもの」で作られている
コスチュームにも時代背景が刻まれています。顔を覆うゴーグルは、ベンおじさんが第一次世界大戦で使っていた飛行用のもの。ハイテクスーツではなく身の回りの物を組み合わせた装いだからこそ、大恐慌の空気が伝わってきます。
スパイダーマンのスーツの変遷そのものに興味がある方は、スーツ歴代まとめもあわせてどうぞ。
スパイダーマン・ノワールの登場作品まとめ
結論から言えば、2026年8月時点では「原作コミック」「アニメ映画」「ゲーム」「実写ドラマ」の4方向から入ることができます。最も手を出しやすいのはアニメ映画と実写ドラマです。
原作コミック『スパイダーマン・ノワール』(2009年)
初登場は、2009年2月刊行のミニシリーズ『Spider-Man: Noir』#1です。原作をデイビッド・ハインとファブリス・サポルスキー、作画をカルミネ・ディ・ジャンドメニコが手がけました。日本語版も『スパイダーマン・ノワール』として刊行されており、原点を確かめたい人はここから入るのが確実です。
アニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)
このキャラクターが世界的に知られるきっかけになったのが、2018年のアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』です。マイルズ・モラレスのもとに集まる別世界のスパイダーマンの一人として登場し、声を担当したのがニコラス・ケイジでした。
彼だけが白黒で描画され、色の概念を理解していないという演出は、映画屈指の遊び心として語り草です。渋い声と的外れなユーモアのギャップも人気の理由になっています。
シリーズをこれから追う方は、『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズを見る順番とマイルズ・モラレス版スパイダーマンとは?を先に読んでおくと、人物関係がすっきり頭に入ります。
ゲームでの登場
ゲームでは2010年の『Spider-Man: Shattered Dimensions』が代表格です。異なる世界の4人のスパイダーマンを操作する構成で、ノワールもプレイアブルキャラクターの一人。ステルス中心のステージ設計で、他の3人とは手触りがはっきり違います。
また『Marvel’s Spider-Man 2』では、映画『スパイダーバース』版の姿を再現した「Into the Spider-Verse Noir Suit」がピーター用のスーツとして用意されています。ゲーム全体の流れはスパイダーマンゲーム一覧で確認できます。
実写ドラマ『スパイダー・ノワール』(2026年)
2026年5月27日、Prime Videoでドラマ『スパイダー・ノワール』の全8話が一挙配信されました。スパイダーマン初の実写ドラマシリーズであり、主演はアニメ版と同じくニコラス・ケイジです。
注目すべきは、主人公の名前が原作コミックのピーター・パーカーではなく、ベン・ライリー/ザ・スパイダーに変更されている点です。1930年代のニューヨークで落ちぶれた私立探偵として生きる彼が、過去の悲劇と向き合いながら、街に唯一残されたヒーローとして再び立ち上がっていきます。
制作はソニー・ピクチャーズ・テレビジョン。『スパイダーバース』のフィル・ロード&クリストファー・ミラー、エイミー・パスカルが製作に名を連ねています。
本作ならではの仕掛け:2つのバージョン
- 本格的なモノクロ版
- 質感を活かしたカラー版
- 視聴者が好きな方を選んで観られる
この二本立てはケイジ自身の提案によるもので、モノクロ映画に馴染みのない世代にも届けたいという意図が語られています。ノワールらしさを味わうなら、まずはモノクロ版からどうぞ。
まとめ
- 1930年代の大恐慌時代のニューヨークを舞台にした、並行世界(アース90214)のスパイダーマン
- 原作コミックでの正体はその世界のピーター・パーカー。ジャーナリスト志望の青年として描かれる
- 力の由来は放射能ではなく「蜘蛛の神の偶像」という神秘的な出来事
- 最大の違いは拳銃を使うこと。トレンチコートとゴーグルの装いも特徴
- 初登場は2009年のコミック『Spider-Man: Noir』#1
- 2018年のアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』でニコラス・ケイジが声を担当し知名度が急上昇
- ゲームは『Spider-Man: Shattered Dimensions』でプレイアブル、『Marvel’s Spider-Man 2』にスーツ収録
- 2026年5月27日、Prime Videoで実写ドラマ『スパイダー・ノワール』全8話が配信開始。主人公はベン・ライリー
ノワールは「同じ力を持った人間が違う時代に生まれたらどうなるか」を突き詰めた異色の存在です。まずは『スパイダーバース』で顔を覚え、実写ドラマ『スパイダー・ノワール』でじっくり浸る。この順番が一番おいしい入り方だと思います。



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