「スパイダーバースって何作あるの?」「実写のスパイダーマンを見ていないと話がわからない?」——アニメ版スパイダーマンに手を出そうとして、この2つで止まっている人はかなり多いはずです。
結論から言うと、『スパイダーバース』は公開順に見れば間違いありません。2018年『スパイダーマン:スパイダーバース』→2023年『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』→2027年公開予定の完結編、という3部作構成です。そして実写版は一切見ていなくても問題ありません。この3部作は実写シリーズとつながっていない、完全に独立したアニメーション作品だからです。
この記事でわかること
- スパイダーバース3部作の正しい見る順番と、各作品の位置づけ
- マイルズ・グウェン・ミゲルなど主要キャラの関係が一目でわかる比較表
- 実写版を見ていない人でも置いていかれない、最低限の前提知識
スパイダーバースを見る順番は「公開順」の一択
迷う必要はありません。作られた順にそのまま見るのが唯一の正解です。3部作は1本の長い物語を分割したような構造になっていて、物語上の時間の流れと公開順が完全に一致しているためです。
| 順番 | 作品名 | 日本公開 | 上映時間 |
|---|---|---|---|
| 1 | スパイダーマン:スパイダーバース | 2019年3月8日 | 117分 |
| 2 | スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース | 2023年6月16日 | 140分 |
| 3 | ビヨンド・ザ・スパイダーバース(完結編) | 2027年6月18日 全米公開予定 | 未発表 |
特に注意したいのが2作目です。『アクロス・ザ・スパイダーバース』は物語が完結せず、続きを匂わせたまま終わります。ここで初めてシリーズに触れると「え、終わり?」と面食らうので、必ず1作目から順に見てください。
なお実写を含めたスパイダーマン映画全体の並びを知りたい人は、スパイダーマン 見る順番 完全ガイドのほうで全シリーズを整理しています。
実写版を見ていなくても100%楽しめる
スパイダーバースは実写映画とは世界観も制作ラインも別物です。トビー・マグワイア版もアンドリュー・ガーフィールド版も、トム・ホランドのMCU版も、視聴の前提にはなりません。予習ゼロで1作目を再生して大丈夫です。
むしろ1作目は「スパイダーマンをまったく知らない観客」を想定して作られています。主人公が力を得るところから始まり、スパイダーマンとはどういうヒーローなのかを作中で何度も説明してくれる構成です。
ただし、実写を知っていると笑えるネタは大量に仕込まれています。歴代スーツのデザイン、有名な決めポーズ、伝説的な名台詞——このあたりはスパイダーマンのスーツ歴代まとめを眺めておくと、拾える小ネタが一気に増えます。
「マルチバース」だけ理解しておけばOK
- 世界は1つではなく、少しずつ違う並行世界が無数に存在する
- それぞれの世界に、それぞれのスパイダーマンがいる
- 本作は、その別世界のスパイダーマンたちが1か所に集まる話
この考え方は実写の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でも使われていますが、両者に直接の物語的つながりはありません。「同じアイデアを別の作品がそれぞれ使っている」と捉えてください。
各作品のあらすじと見どころ
1作目『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018年)
ブルックリンの高校生マイルズ・モラレスが特殊なクモに噛まれ、力を手にするところから物語は始まります。同じ頃、実験によって次元の壁が崩れ、彼の世界に別世界から来た複数のスパイダーマンが流れ込んできます。全員バラバラの見た目・性格・作画タッチという、シリーズの代名詞になった設定です。
アメコミのページをそのまま動かしたようなビジュアルが高く評価され、第91回アカデミー賞の長編アニメーション映画賞を受賞しています。まずはこの1本を見れば、シリーズの魅力はほぼ掴めます。
2作目『アクロス・ザ・スパイダーバース』(2023年)
1作目から成長したマイルズの前に、再びグウェンが現れます。彼女が所属していたのは、マルチバース全体を監視する組織「スパイダー・ソサエティ」。そこでマイルズは、スパイダーマンという存在に課された過酷なルールを知ることになります。
登場するスパイダーマンの数が桁違いに増え、世界ごとに絵柄そのものが切り替わる映像設計はさらに過激に。上映時間140分はアメリカ製アニメーション映画として異例の長さで、世界興行収入も約6億9,000万ドルと1作目を大きく上回りました。
3作目『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』(2027年公開予定)
2作目で放り出された物語を受け止める完結編で、全米公開は2027年6月18日が予定されています。監督はボブ・ペルシケッティとジャスティン・K・トンプソンが務めます。
ただしこの作品、当初は2024年公開予定でした。そこから複数回にわたって公開時期が動いています。制作陣が品質面で妥協しなかったこと、そして2023年のハリウッドのストライキが重なったことが主な理由とされています。日程が再び変わる可能性は残っていると考えておくのが無難です。
主要登場人物を一覧で整理
スパイダーバースは登場人物が多い作品ですが、物語の軸になるのは4人だけです。まずはこの表の顔ぶれだけ頭に入れておけば、初見でも迷いません。
| キャラクター | 日本語吹替 | 立ち位置 | どんな人物か |
|---|---|---|---|
| マイルズ・モラレス | 小野賢章 | 主人公 | ブルックリン育ちの高校生。姿を消す能力と、電撃を放つ能力を持つ |
| グウェン・ステイシー(スパイダーグウェン) | 悠木碧 | ヒロイン/相棒 | 別世界でスパイダーマンをしている少女。バンドのドラマーでもある |
| ピーター・B・パーカー | 宮野真守 | 師匠役 | 離婚し腹の出た中年スパイダーマン。マイルズの指導役になる |
| ミゲル・オハラ(スパイダーマン2099) | 関智一 | 2作目のキーマン | スパイダー・ソサエティを率いる。マイルズと対立する |
マイルズ・モラレス:ピーターではない、もうひとりのスパイダーマン
シリーズの主人公です。黒人とプエルトリコ系のルーツを持つ10代の少年で、壁を登る・糸を出すといった基本能力はピーター・パーカーと同じ。加えて体を透明にするカモフラージュと、触れた相手を痺れさせる電撃という彼だけの武器を持ちます。
3部作すべてが「マイルズが本物のスパイダーマンになるまで」の物語です。キャラクターの成り立ちや原作コミックでの扱いは、マイルズ・モラレス版スパイダーマンとは?で詳しくまとめています。
グウェン・ステイシー:主人公と並ぶもうひとりの主役
実写映画ではピーターの恋人として描かれてきたグウェンですが、この世界では彼女自身がスパイダーマンです。白とピンクを基調にした鮮烈なスーツで、通称スパイダーグウェン。
2作目では冒頭から彼女の視点で長く物語が語られ、実質的なダブル主人公に昇格しています。父親との関係に悩む描写は本シリーズ屈指の見どころです。
ピーター・B・パーカー:ダメな大人としてのスパイダーマン
ヒーロー稼業に疲れ、私生活も崩壊気味の中年スパイダーマン。ジャージ姿でパンを頬張りながら戦うような男です。彼が嫌々ながらマイルズの師匠役を引き受けるところから、1作目の関係性が動き出します。
ミゲル・オハラ:味方でも敵でもない、2作目最大の壁
未来的な世界からやってきたスパイダーマン2099。マルチバースの秩序を守るためにスパイダー・ソサエティを組織した厳格な人物で、2作目でマイルズの前に立ちはだかります。
ポイントは、彼が悪人ではないことです。目的も信念も正しい。それでもマイルズとは決定的に相容れない——この構図が2作目の物語を駆動しています。
そのほかのスパイダーマンとヴィラン
- スパイダーマン・ノワール(大塚明夫):1930年代のモノクロ世界から来た、白黒でしか描かれないスパイダーマン
- ペニー・パーカー(高橋李依):日本のアニメ風世界の少女。ロボットに搭乗して戦う
- スパイダー・ハム(吉野裕行):カートゥーン世界から来たブタのスパイダーマン。物理法則を無視する
- キングピン:1作目のヴィラン。巨体の犯罪王で、次元崩壊を引き起こした張本人
- スポット:2作目のヴィラン。全身の黒い斑点が異次元への穴になっている
完結編の最新情報は『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』最新情報にまとめています。作中に登場するスパイダーマン・ノワールについても個別に解説しています。テレビアニメを含めた歴代シリーズ全体はスパイダーマンのアニメ作品一覧で整理しています。
初見で楽しむための3つのコツ
1. 画面の情報量に構えすぎない
本シリーズは擬音の文字や吹き出しが画面に直接描き込まれるのが特徴です。初めて見ると情報が多く感じますが、全部を追う必要はありません。アメコミのページをめくっている感覚で流して見るのが正解です。
2. 吹替と字幕、どちらでもいい
日本語吹替版は豪華なキャスティングで評価が高く、画面に集中したい初見なら吹替がおすすめです。一方で原語版は音楽との一体感が強く作られています。まず吹替で1周、気に入ったら字幕で2周目、という流れが無駄がありません。
3. エンドクレジットまで席を立たない
両作ともクレジット後に映像が用意されています。次作につながる重要な情報が含まれるので、最後まで見てください。
よくある質問
2作目だけ見てもわかる?
おすすめしません。2作目は1作目でマイルズとグウェンの関係が築かれていることを前提に始まります。冒頭から感情の積み重ねを要求されるため、1作目を飛ばすと物語の芯が伝わりません。
子どもと一緒に見られる?
どちらも日本での区分は年齢制限なしです。ただし点滅の激しい映像表現が多く、光に敏感な人は注意が必要とされています。テレビで見る場合は明るい部屋で少し離れて視聴するのが安心です。
配信で見られる?
1作目・2作目とも主要な動画配信サービスで取り扱いがあります。ただし見放題かレンタルかは時期によって入れ替わるため、視聴前に各サービスの最新の配信状況を確認してください。
ゲーム版とはつながっている?
つながっていません。PlayStation向けのゲームにもマイルズが登場しますが、あちらはゲーム独自の世界観です。同じキャラクターの別バージョンと考えてください。
まとめ
- 見る順番は公開順の一択。『スパイダーバース』→『アクロス・ザ・スパイダーバース』→完結編『ビヨンド・ザ・スパイダーバース』
- 実写版のスパイダーマンは予習不要。完全に独立した世界の物語
- 主人公はピーター・パーカーではなく、高校生のマイルズ・モラレス
- 軸になるのはマイルズ・グウェン・ピーター・B・パーカー・ミゲルの4人
- 2作目は物語が完結しないので、必ず1作目から順に見ること
- 完結編の全米公開予定は2027年6月18日。ただし過去に何度も動いている
まずは1作目の117分から。アメコミ映画の常識を塗り替えた1本を、ぜひ体験してみてください。



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