この記事は、マーベル映画『ブラックパンサー』(2018年)と『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022年)の結末までを含むネタバレありの解説です。まだ見ていない人は、「基本情報」と「Disney+で見れる?」の項目だけ先に読むのがおすすめです。なお、ここで扱う「ブラックパンサー」は、動物の黒豹や政党ではなく、マーベル・スタジオのヒーロー映画のことです。
結論から言うと、『ワカンダ・フォーエバー』(通称ブラックパンサー2)は、主人公ティ・チャラが物語の始まりの時点で病気のために亡くなっている続編です。演じたチャドウィック・ボーズマンが2020年8月に亡くなったことを受け、マーベルは代役を立てない道を選びました。ティ・チャラの妹シュリが新しいブラックパンサーになり、そこへ海底王国タロカンの王ネイモアが現れて、ワカンダとの争いが始まります。2026年10月28日時点で、2作ともDisney+(ディズニープラス)に作品ページがあり、加入して視聴できます。
『ブラックパンサー』と『ワカンダ・フォーエバー』の基本情報
2作の基本情報は次のとおりです。監督はどちらもライアン・クーグラーです。
| 項目 | 『ブラックパンサー』 | 『ワカンダ・フォーエバー』 |
|---|---|---|
| 公開日 | 米国2018年2月16日/日本2018年3月1日 | 米国・日本とも2022年11月11日 |
| ティ・チャラ | 主人公(演じたのはチャドウィック・ボーズマン) | 物語の始まりの時点で故人 |
| 主な新顔 | エリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン) | ネイモア(テノッチ・ウエルタ・メヒア)、リリ・ウィリアムズ/アイアンハート(ドミニク・ソーン) |
| MCUでの位置づけ | フェーズ3 | フェーズ4の最終作 |
| Disney+(2026年10月28日時点) | 作品ページあり | 作品ページあり |
ブラックパンサー(ティ・チャラ)は死亡した?ボーズマンの死去と続編での扱い
「死亡」には2つの意味があり、どちらも「はい」です。物語の中では、ティ・チャラは『ワカンダ・フォーエバー』の冒頭で病気のため亡くなります。そして現実でも、ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンは2020年8月28日に43歳で亡くなりました。ここでは確認できた事実だけを整理します。
チャドウィック・ボーズマンの死去
ディズニーは2020年8月28日付で、ボーズマンが43歳で亡くなったことを公式に伝えました。当時のボブ・アイガー会長は深い悲しみを表し、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、ボーズマンを「私たちのティ・チャラ」と呼んで追悼しています。死因は大腸がんで、報道によると約4年間、病気を公にしないまま俳優活動を続けていました。クーグラー監督は、病気のことを知らなかったと語っています。
マーベルが代役を立てなかった理由
ファイギ社長は2020年12月、ボーズマンが演じたティ・チャラは象徴的な存在であり、だからこそ代役は立てないと説明しました。のちには代役を立てるには早すぎると感じたと語り、CGでボーズマンを登場させることもしないとしています。クーグラー監督は、もともとボーズマンを思い浮かべて書いていた脚本を、亡くなったあとに作り直したと話しています。
映画の中での追悼のしかた
『ワカンダ・フォーエバー』は、ティ・チャラの死から1年後を描く形で始まります。海外の報道によると、冒頭のマーベル・スタジオのロゴ映像も、ティ・チャラの場面を集めたものに差し替えられました。本作はボーズマンに捧げられています。物語の中でも、ティ・チャラを失った母ラモンダと妹シュリの悲しみが、全編を通じて描かれます。
ボーズマンの経歴やキャスト全体は、『ブラックパンサー』キャスト徹底紹介!チャドウィック・ボーズマンと仲間たちの軌跡でも紹介しています。
『ブラックパンサー』(2018)のあらすじ【ネタバレあり】
舞台は、アフリカにある隠された科学大国ワカンダです。ワカンダは、隕石で落ちてきた金属ヴィブラニウムの力で栄えた国で、外の世界には貧しい国のふりをして暮らしています。ティ・チャラの父ティ・チャカ王は、ヒーローたちが対立した『シビル・ウォー』の事件で亡くなりました。ティ・チャラは王位を継ぐ儀式で挑戦者エムバクに勝ち、ブラックパンサーを名乗る王になります。ティ・チャラの初登場については、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のあらすじと解説で詳しく書いています。
ティ・チャラは、ワカンダのヴィブラニウムを盗んだ武器商人ユリシーズ・クロウを追って韓国の釜山へ向かいます。ところがクロウは、エリック・キルモンガーという男に連れ去られます。エリックの正体は、ティ・チャカ王が1992年に殺した弟ウンジョブの息子でした。父を殺された恨みを抱えて育ったエリックは、王位の決闘でティ・チャラを谷に突き落とし、自分が王になります。さらに、ブラックパンサーの力の源であるハーブを焼き払い、ワカンダの武器を世界中に送ろうとします。
生き延びたティ・チャラは、ナキア、シュリ、母ラモンダ、ロスたちの助けを得て、ジャバリ族の力も借りて戻ってきます。最後は鉱山の採掘場でキルモンガーと一騎打ちになり、ティ・チャラが勝ちます。キルモンガーは治療を拒み、ワカンダの景色を見ながら息を引き取ります。ティ・チャラはそのあと、ワカンダを外の世界に開く道を選びます。国連で国の存在を明かす場面は、エンドクレジットの途中に入ります。スーツの機能や強さが気になる人は、ブラックパンサーのスーツ機能と生身の強さの記事も参考にしてください。
『ワカンダ・フォーエバー』のあらすじ【ネタバレあり】
ティ・チャラの死から1年後
ティ・チャラは病気で亡くなります。科学者でもあるシュリは、ブラックパンサーの力の源であるハーブを人工的に作り直そうとしますが、間に合いませんでした。1年後、ワカンダは各国から、ヴィブラニウムを分けるよう圧力をかけられています。母ラモンダ女王は、シュリに新しいブラックパンサーを作るよう勧めますが、シュリは断ります。
海底の王ネイモアが現れる
そんなとき、大西洋の海底でヴィブラニウムを探す調査隊が襲われます。やったのは、海底王国タロカンの戦士たちでした。王のネイモアはワカンダに、探知機を作った人物を連れてくるよう求めます。さもなければワカンダを攻撃するという脅しです。その人物とは、アメリカの大学に通う天才少女リリ・ウィリアムズでした。シュリとオコエがリリを探しに向かいますが、ネイモアたちが現れ、シュリとリリは海底に連れ去られます。
ラモンダ女王の死
ネイモアはシュリに、地上の世界に対抗するための同盟を持ちかけます。断れば、ワカンダを滅ぼすという条件でした。シュリはナキアの助けでリリと一緒に脱出しますが、ネイモアはワカンダを攻撃します。この戦いで、ラモンダ女王はリリを守ろうとして亡くなります。ワカンダの人々は、山岳地帯のジャバリ族のもとへ移ります。
シュリが新しいブラックパンサーになる
母の葬儀のあと、シュリは怒りと悲しみのなかで、タロカンの薬草の残りを使ってハーブを作り直します。ハーブを口にしたシュリは、先祖の世界でキルモンガーと向き合います。ティ・チャラではなくキルモンガーが現れる点は、本作の印象的な場面の一つです。シュリは新しいスーツを自分で作り、ワカンダの部族にも認められて、新しいブラックパンサーになります。
決戦とラスト
ワカンダの人々は、ネイモアを地上におびき出します。シュリはネイモアを追い詰めますが、最後の瞬間に母ラモンダの姿が浮かび、とどめをさしません。ネイモアは降参し、ワカンダとタロカンは同盟を結びます。ネイモアは生き残ります。ラストでシュリはハイチを訪れ、兄ティ・チャラの喪の装束を燃やして、ようやく悲しみと向き合います。
エンドクレジットの途中には、もう一つの場面があります。ナキアがハイチで、ティ・チャラとの間に生まれた息子トゥーサンを育てていたことが分かる場面です。トゥーサンは、ワカンダでの名前はティ・チャラだと名乗ります。
文章だけではなく実際のストーリーを見たい人は、Disney+で本編をチェックできます。
新しいブラックパンサーは誰?
新しいブラックパンサーは、ティ・チャラの妹シュリです。演じるのはレティーシャ・ライトで、日本語吹替は百田夏菜子さんです。1作目ではスーツや武器を作る発明家だったシュリが、兄の死を乗り越えて、自分で王国を守る側に立つのが続編の中心になっています。ブラックパンサーの力を得るには、ヴィブラニウムの影響を受けたハーブを口にします。『ワカンダ・フォーエバー』では、このハーブが一度焼かれたあとで、シュリが作り直しました。
ちなみに、検索でよく見る「ブラックパンサー 俳優」は、ティ・チャラ役のチャドウィック・ボーズマンと、続編で新しいブラックパンサーを演じるレティーシャ・ライトの2人を指す場合がほとんどです。
ネイモア(ナモア)とは?タロカンの王を解説
ネイモアは、海の帝国タロカンを治める王で、続編でMCUに初登場しました。日本のマーベル公式サイトでの表記は「ネイモア」ですが、「ナモア」で検索する人も多いようです。同じキャラクターです。演じるのはテノッチ・ウエルタ・メヒア、日本語吹替は浪川大輔さんです。
公式の紹介では、足首の羽で空を飛び、海中を素早く動き、ヴィブラニウムの鎧を身につけた存在とされています。劇中の設定では、タロカンの人々は、ヴィブラニウムを含む薬草の力で海に適応した人たちです。ネイモアはその力が胎内で働いた状態で生まれ、尖った耳と足首の羽を持ちます。地上の人間を信じていないネイモアにとって、リリが作ったヴィブラニウム探知機は、タロカンの場所を知られる危険な道具でした。これが争いの出発点です。
原作コミックのネイモアは、1930年代末に登場したマーベル最古参のキャラクターの一人です。原作では海底王国アトランティスの王子で、MCUでは、中米の文化を背景にした別の国タロカンの王として描かれました。MCUでの出演情報は、『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』最新情報まとめで追っています。
『ワカンダ・フォーエバー』のキャストと日本語吹替
続編の主なキャストは次のとおりです。俳優と吹替は日本のマーベル公式サイトの情報に基づいています。ヴァレンティーナ役のジュリア・ルイス=ドレイファスとその吹替は、日本版Wikipediaの記載によります。
| 役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
|---|---|---|
| シュリ/ブラックパンサー | レティーシャ・ライト | 百田夏菜子 |
| ナキア | ルピタ・ニョンゴ | 皆川純子 |
| オコエ | ダナイ・グリラ | 斎賀みつき |
| エムバク | ウィンストン・デューク | 木村昴 |
| ラモンダ女王 | アンジェラ・バセット | 幸田直子 |
| リリ・ウィリアムズ/アイアンハート | ドミニク・ソーン | 早見沙織 |
| ネイモア | テノッチ・ウエルタ・メヒア | 浪川大輔 |
| アヨ | フローレンス・カサンバ | 織部ゆかり |
| アネカ | ミカエラ・コール | 平野夏那子 |
| エヴェレット・ロス | マーティン・フリーマン | 森川智之 |
| ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ | ジュリア・ルイス=ドレイファス | 藤貴子 |
1作目の主なキャストは、ティ・チャラ役のボーズマン(吹替は田村真さん)、キルモンガー役のマイケル・B・ジョーダン(吹替は津田健次郎さん)などです。全員の役柄は、前述の『ブラックパンサー』のキャスト紹介記事で整理しています。
評価と受賞:アカデミー賞での扱い
1作目は、スーパーヒーロー映画として初めてアカデミー賞の作品賞にノミネートされました。全部で7部門にノミネートされ、作曲賞、美術賞、衣装デザイン賞の3つを受賞しています。続編は、5部門でノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞しました。ラモンダ役のアンジェラ・バセットは、助演女優賞にノミネートされています。これは、マーベル・スタジオ作品として初めての演技部門のノミネートです。ゴールデングローブ賞では助演女優賞を受賞しました。世界興行収入は、続編が約8億5,900万ドルです。
『ブラックパンサー3』はどうなる?
2026年7月のサンディエゴ・コミコンで、マーベル・スタジオは『ブラックパンサー3』を発表しました。米国公開は2028年12月15日で、監督は引き続きライアン・クーグラーです。ティ・チャラの息子トゥーサンの成長した姿を、デヴィッド・ジョンソン(David Jonsson)が演じ、新しいブラックパンサーになると報じられています。ステージにはレティーシャ・ライトとウィンストン・デュークも登壇しました。2026年10月28日時点で、物語の詳しい内容は明らかになっていません。発表の概要はマーベル・スタジオ サンディエゴ・コミコン2026まとめ|ゴーストライダー新作とブラックパンサー3を発表にあります。
『ブラックパンサー』『ワカンダ・フォーエバー』はDisney+で見れる?
2026年10月28日時点で、Disney+に『ブラックパンサー』と『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』の作品ページがあり、加入すると視聴できます。続編は2023年2月1日にDisney+で見放題配信が始まりました。Disney+が2026年8月に公開した『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』前の視聴リスト(15作品)にも、『ワカンダ・フォーエバー』が入っています。配信は入れ替わることがあるため、申し込み前にDisney+で作品名を検索して確認してください。ほかの配信サービスでの扱いは確認できていないので、ここでは触れません。
Disney+の公式サイトで入会する場合の料金は、2026年3月25日の改定後、スタンダードが月額1,250円・年額12,500円、プレミアムが月額1,670円・年額16,700円(いずれも税込)です。公式サイトの入会案内に無料トライアルの記載は見当たりませんでした。Disney+で配信されているほかのマーベル作品は、ディズニープラスで配信中のマーベル作品まとめで確認できます。
今回紹介した場面を映像で見返したい人は、Disney+で確認できます。
『ブラックパンサー』シリーズのよくある質問
Q. 1作目を見ていなくても『ワカンダ・フォーエバー』は楽しめますか?
見ていなくても大筋は追えますが、1作目を先に見るのがおすすめです。ヴィブラニウム、ハーブ、ジャバリ族のエムバク、そしてシュリがハーブを飲んだときに現れるキルモンガーなど、1作目の出来事を前提にした場面が多いためです。
Q. ティ・チャラの代わりに、誰がブラックパンサーになったのですか?
妹のシュリです。『ワカンダ・フォーエバー』のラストで、トゥーサンという名の、ティ・チャラの息子も登場します。トゥーサンが成長した姿は、『ブラックパンサー3』に登場すると発表されています。
Q. エンドクレジットのあとにも映像はありますか?
1作目には、エンドクレジットの途中に国連の場面と、クレジット後のバッキーの場面があります。続編では、エンドクレジットの途中にトゥーサンの場面があります。どちらも本編の見どころの一部なので、最後まで見ることをおすすめします。
まとめ
- 『ブラックパンサー』は、ティ・チャラが王になり、キルモンガーとの戦いを経てワカンダを世界に開く物語
- 『ワカンダ・フォーエバー』は、ティ・チャラの死から1年後、ネイモア率いるタロカンとの争いを描く物語
- ボーズマンは2020年8月28日に43歳で死去し、マーベルは代役を立てず、新しいブラックパンサーはシュリ
- 『ブラックパンサー3』は2028年12月15日に米国公開予定で、トゥーサンが成長した姿が登場すると報じられている
- 2026年10月28日時点で、2作ともDisney+に作品ページがある
ボーズマンの不在を物語に取り込んだ続編は、悲しみの描き方に注目して見ると、1作目とは違う印象を受けるはずです。1作目から順に見直すなら、次のリンクから公式サイトで申し込めます。



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