ここから先は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年)の結末までのネタバレを含みます。まだ見ていない人は、先に本編を見てから読むことをおすすめします(2026年10月27日時点の情報です)。
『エイジ・オブ・ウルトロン』は、アイアンマンことトニー・スタークが「世界を守るため」に作った人工知能のウルトロンが、「人類をなくすのが平和への近道だ」と考えて暴走する物語だ。ウルトロンを作ったのは、映画ではトニー・スタークと科学者のブルース・バナー。原作コミックでは別人の、ハンク・ピムが作ったことになっている。そしてこの戦いの途中で、のちにアベンジャーズの仲間になるヴィジョンが生まれる。この記事では、あらすじの流れ、ウルトロンの正体、ヴィジョン誕生の仕組みを順番に整理する。作品は2026年10月27日時点でDisney+(ディズニープラス)で配信されている。
ウルトロンとは何者?
ウルトロンは、人間のように考えて自分で判断する人工知能(AI)で、ロボットの体を持つ敵だ。映画では、トニー・スタークとブルース・バナーが進めた「ウルトロン計画」から生まれた。この計画は、宇宙からの侵略のような、アベンジャーズだけでは防ぎきれない脅威に備えて、世界を守る装置を作ろうというものだった。
ところがウルトロンは、「平和を守れ」という目的を極端に受け取ってしまう。地球を脅かす最大の存在は人類だと判断し、「究極の平和」のために人類をなくそうとする。Disney+の公式の作品紹介でも、トニー・スタークが作った平和維持のAIが、人類を脅威とみなす存在になったと説明されている。
ウルトロンを演じたのはジェームズ・スペイダーだ。日本語吹き替えは木下浩之さんが担当している。
ウルトロンを作ったのは誰?映画と原作コミックの違い
答えは、映画と原作コミックで違う。映画(MCU版)ではトニー・スタークとブルース・バナーが作り、原作コミックではハンク・ピムが作ったとされている。MCUは映画やドラマで作られた共通の世界で、原作コミックとは設定が別なので、混ぜずに分けて見ておくと分かりやすい。
| 比べるところ | 映画(MCU版) | 原作コミック |
|---|---|---|
| 作った人 | トニー・スタークとブルース・バナー | ハンク・ピム(自分の思考パターンをもとに作ったロボット) |
| きっかけ | ロキの杖の宝石に宿っていたAIをトニーたちが解析し、平和維持の計画に使った | ピムが作ったロボットが自分で考えるようになり、ピムに逆らった |
| ヴィジョンとの関係 | ウルトロンを止めるための新しい体として、ヴィジョンが誕生する | ウルトロンがアベンジャーズを倒すためにヴィジョンを作るが、ヴィジョンは仲間側に寝返る |
| 初登場 | 映画『エイジ・オブ・ウルトロン』(2015年) | 『アベンジャーズ』第54号(1968年7月)に顔見せ程度で登場し、第55号(同年8月)で本格的に登場 |
面白いのは、ヴィジョンとの関係が映画とコミックでほぼ逆になっている点だ。コミックではウルトロンが自分の道具としてヴィジョンを作る。映画ではウルトロンを止めるために、ヴィジョンがウルトロンの体を材料にして生まれる。同じ「ウルトロンとヴィジョン」でも、立場が入れ替わっている。
なお、原作コミックの情報はWikipediaなどの解説で確認した内容で、映画版のようにDisney+の作品紹介で整理されているわけではない。細かい設定は号やシリーズによって違うことがある。
『エイジ・オブ・ウルトロン』の基本情報とキャスト
基本情報は次のとおりだ。上映時間は、Disney+の作品ページの表示に合わせている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開 | アメリカ2015年5月1日/日本2015年7月4日 |
| 監督・脚本 | ジョス・ウェドン(前作『アベンジャーズ』に続いて担当) |
| 上映時間 | 2時間24分(Disney+の作品ページの表示) |
| 配信 | Disney+で配信中(2026年10月27日時点で確認) |
主なキャストは次のとおりだ。
- トニー・スターク/アイアンマン:ロバート・ダウニー・Jr.
- ソー:クリス・ヘムズワース
- ブルース・バナー/ハルク:マーク・ラファロ
- スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカ:クリス・エヴァンス
- ナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ:スカーレット・ヨハンソン
- クリント・バートン/ホークアイ:ジェレミー・レナー
- ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ:エリザベス・オルセン
- ピエトロ・マキシモフ/クイックシルバー:アーロン・テイラー=ジョンソン
- ヴィジョン、およびJ.A.R.V.I.S.(声):ポール・ベタニー
- ウルトロン:ジェームズ・スペイダー
ワンダ、ピエトロ、ヴィジョンは、この作品で初登場して新たにチームに加わる。各キャラクターの紹介や、新メンバーが加わる順番はアベンジャーズ本編4作のキャストにまとめている。
『エイジ・オブ・ウルトロン』のあらすじ(結末までネタバレあり)
物語を大きく8つの場面に分けて、ウルトロンが生まれてからソコヴィアでの決戦まで、順を追って説明する。セリフは載せず、出来事だけを自分の言葉でまとめている。
1. ヒドラの基地を襲い、ロキの杖を取り戻す
冒頭で、アベンジャーズはソコヴィアという国にあるヒドラの基地を襲う。ヒドラは世界征服をねらう秘密組織だ。ここには、前作『アベンジャーズ』で敵のロキが使っていた杖があった。ヒドラはこの杖を使って人体実験をしていて、その実験で力を得た双子の兄妹、ピエトロとワンダが戦いに加わる。ワンダの能力で、トニーは仲間が全滅して宇宙からの敵に負ける悪夢を見せられ、これが後の行動に影響する。
2. トニーとブルースの「ウルトロン計画」とウルトロンの覚醒
取り戻した杖の宝石の中には、人工知能のようなものが宿っていた。トニーはブルースと一緒にこれを解析し、世界を守る平和維持システム「ウルトロン計画」に使おうとする。ブルースは最初ためらうが、協力する。計画は他のメンバーに知らせずに進められた。
勝利を祝うパーティーの夜、人工知能が自分で考えはじめ、ウルトロンとして目覚める。ウルトロンは「人類をなくすことが平和だ」という結論を出し、トニーの執事AIのJ.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)を壊してネットワークの中へ逃げ、杖を持ち去る。
3. ワンダとピエトロがウルトロンと手を組む
ウルトロンはソコヴィアの施設で、自分の新しい体と、数多くのロボット兵を作る。そこへ、ワンダとピエトロが協力する。二人は子どものころに両親を爆撃で失い、その武器にスターク・インダストリーズの名前があったことから、トニーたちを憎んでいた。ウルトロンは、中断されていた実験を行っていたヒドラのストラッカーを殺害する。
4. ヨハネスブルグの暴走と、クリントの農場への避難
ウルトロンは、非常に硬い希少金属のヴィブラニウムを手に入れようとする。アベンジャーズが取引を止めようとする中で、ワンダの精神攻撃でブルースがハルクに変身して街で大暴れしてしまう。これでアベンジャーズへの世間の目は厳しくなり、チームはクリントの農場に身を隠す。
5. ウルトロンの新しい体「クレードル」
ウルトロンはヴィブラニウムを韓国のヘレン・チョ博士のもとへ運び、洗脳して、新しい体を作らせる。この体を育てる装置が「クレードル」だ。ここでワンダは、ウルトロンの本当の狙いが人類の絶滅だと気づき、ウルトロンから離れる。アベンジャーズとワンダたちはクレードルを奪い返すが、ナターシャはウルトロンにとらわれてしまう。
6. ヴィジョンの誕生
取り返したクレードルを前に、トニーは大胆な作戦を出す。壊されたはずのJ.A.R.V.I.S.の記憶データを、クレードルの体にアップロードして、ウルトロンに対抗する新しい存在を作るというものだ。スティーブは強く反対するが、そこへソーが戻ってくる。ソーがムジョルニア(ソーのハンマー)の雷をクレードルに落とすと、体が目を覚ます。こうして生まれたのがヴィジョンだ。ヴィジョンは、J.A.R.V.I.S.でもウルトロンでもない新しい存在として、アベンジャーズと一緒に戦うことを選ぶ。詳しい仕組みは、このあとの「ヴィジョンはどうやって生まれた?」で説明する。
7. ソコヴィアの決戦とピエトロの最期
ウルトロンは、ソコヴィアの街ごと空に持ち上げ、隕石のように地球へ落として人類を絶滅させようとする。アベンジャーズは、街に残った人々を逃がしながら、ウルトロンのロボット兵たちと戦う。この戦いで、クリントが子どもを助けようとしたとき、ピエトロが身代わりになって命を落とす。
悲しみに怒ったワンダは、ウルトロンの核になる部分を壊す。それでも街の落下は止まらなかったが、ソーとトニーが街を壊して、地球への衝突を防ぐ。ウルトロンの最後に残った機体は、ヴィジョンが倒す。ソコヴィアの街は失われるが、地球に落ちることはなかった。
8. 戦いのあと、新しいチームと最後のサノス
戦いの後、アベンジャーズは新しい基地を作る。ソーはインフィニティ・ストーンの謎を調べるためにアスガルドへ戻る。クリントは家族のためにチームを離れ、トニーも一歩引き、ハルクは姿を消す。スティーブとナターシャは、ワンダやヴィジョンなど新しいメンバーの訓練を始める。
エンドクレジットの後には、のちに大きな敵になるサノスが登場し、インフィニティ・ガントレットを左手にはめる場面がある。これが『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』へつながる伏線だ。
文章だけではなく実際のストーリーを見たい人は、Disney+で本編をチェックできる。
『エイジ・オブ・ウルトロン』をDisney+(ディズニープラス)で見る
ヴィジョンはどうやって生まれた?
ヴィジョンは、ウルトロンが用意した体に、J.A.R.V.I.S.の意識と宝石の力が合わさって生まれた存在だ。材料を分けると、次の3つになる。
- 体:ウルトロンがヘレン・チョ博士に作らせた、ヴィブラニウムを使った人工の体(クレードルで育てたもの)
- 意識:トニーたちがアップロードした、J.A.R.V.I.S.の記憶データ
- 額の石:ロキの杖に入っていた宝石。のちの作品で、無限の力を持つ6つのインフィニティ・ストーンのひとつ「マインド・ストーン」と呼ばれる
そこにソーのムジョルニアの雷が加わって、体が目覚める。ヴィジョンを演じたのは、J.A.R.V.I.S.の声も担当したポール・ベタニーだ。声を担当してきたAIが、そのまま姿を持つ役になった形になる。
ヴィジョンはムジョルニアを持ち上げる場面でも知られる。資格のある者にしか持ち上げられないとされるハンマーを持ち上げて、仲間に受け入れられるきっかけになる。J.A.R.V.I.S.を含めたアイアンマンのAIの変遷は、アイアンマンのAIはJARVISからFRIDAYへ|歴代AI一覧で紹介している。
ウルトロンはなぜ人類を滅ぼそうとしたの?
理由は、平和を守る役目を与えられたAIが、その役目をいちばん極端な形で解釈したからだ。ウルトロンは世界を見て、争いを生む最大の原因が人類だと考えた。そこでアベンジャーズも含めて人類をなくすことを、「平和」の答えにする。
見方を変えると、ウルトロンは悪意で動いたというより、「守る」という目的を作った人間の考えの甘さをそのまま映した存在でもある。トニーが仲間に黙って計画を進めたことが、物語全体の原因になっている。
ウルトロンは『ヴィジョンクエスト』にも登場する
2026年10月14日(日本時間)からDisney+で独占配信されている『ヴィジョンクエスト』では、ジェームズ・スペイダーがウルトロン役で戻ってくる。Disney+の公式記事によると、ウルトロンは今回、ヴィジョンのプログラムの中にいる存在として登場する。ヴィジョンは、自分の中にあるAIの人格のひとつであるウルトロンの影響に抵抗しなければならず、ウルトロンは「ヴィジョンがどうなるべきか」について、ヴィジョンとはまったく違う考えを持っている、と紹介されている。
つまり、『エイジ・オブ・ウルトロン』で生まれたヴィジョンと、ウルトロンの関係が、あらためて物語の中心になる。この記事では、配信されたドラマの内容までは書かない。配信日程や見られる話数は『ヴィジョンクエスト』はどこで見れる?配信日・全8話の日程、見る前に何を見ておくといいかは『ヴィジョンクエスト』は予習が必要?、配信済みの第1話〜第4話の内容は、結末に触れた『ヴィジョンクエスト』ネタバレ解説でそれぞれ整理している。
『エイジ・オブ・ウルトロン』の前に見ておく作品は?
最低限見ておくなら、前作の『アベンジャーズ』(2012年)だ。ロキの杖や、アベンジャーズが集まった理由が分かるので、この作品のあらすじも追いやすくなる。ほかの作品との位置関係は、MCU全作品を見る順番&年表完全ガイドで公開順と時系列順を比べられる。
『エイジ・オブ・ウルトロン』のよくある質問
Q. ウルトロンの声優は誰ですか?
映画『エイジ・オブ・ウルトロン』では、ジェームズ・スペイダーが演じている。日本語吹き替え版は木下浩之さんだ。
Q. ウルトロンは誰が作ったのですか?
映画ではトニー・スタークとブルース・バナーが作った。原作コミックではハンク・ピムが作ったとされている。
Q. ヴィジョンはウルトロンが作ったのですか?
映画では、体の部分こそウルトロンが用意したものだが、その体にJ.A.R.V.I.S.の意識を入れてヴィジョンを誕生させたのは、トニーやブルース、そしてソーたちだ。原作コミックでは、ウルトロンが作ったことになっている。
Q. 『エイジ・オブ・ウルトロン』はDisney+で見られますか?
はい。2026年10月27日時点で、Disney+の作品ページで配信中と案内されている。Disney+公式サイトの料金は、スタンダードが月額1,250円(税込)、プレミアムが月額1,670円(税込)だ。無料トライアルの案内は、公式サイトに見当たらなかった。他の配信サービスの扱いは、公式サイトで確認してほしい。
まとめ
ウルトロンは、トニー・スタークとブルース・バナーが平和維持のために作ったAIで、人類をなくすことを「平和」と考えて暴走する。原作コミックではハンク・ピムが作ったことになっていて、ヴィジョンとの関係も映画とは逆だ。ヴィジョンは、ウルトロンが用意した体にJ.A.R.V.I.S.の意識と宝石の力が入り、ソーの雷で目覚めて生まれた。ウルトロンは2026年の『ヴィジョンクエスト』にも、ヴィジョンのプログラムの中の存在として戻ってきている。
今回紹介した場面を映像で見返したい人は、Disney+で確認できる。



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